ブリスベンの本屋さん
私は本屋さんが好きで、海外旅行でも、現地の本屋さんに立ち寄ります。
本屋さんが好きなのであって、本をたくさん読んでいるかと言うと別なのですが。
ブリスベンに来てからも、すぐに本屋さんに行き、それからも足繁く通っています。
よく行く本屋さんを紹介します。
一つは大手の本屋さん、「Dymocks」
以前は建物の二階にあり、図書館のように長方形にだだっ広い本屋さんでしたが、最近、近所内で移転して、地下に潜り照明が暗めの少しムーディな雰囲気になりました。
オーストラリア全土にあるチェーン展開の本屋さんです。
昨年のクリスマスのこと、アパートでドネーションの募集がありました。
児童施設に贈る、本かおもちゃを集めていたのです。
私は喜んで、子供向けの本を贈ることにしました。
注意書きに8歳から13歳向けと書いてあったので、この本屋さんで、スタッフの若い女性にドネーションのことを伝え、本を一緒に選んでもらいました。
比較的広めの児童書コーナーがある本屋さんです。
ブリスベンの本屋さんに初めて来た際にびっくりしたことは、本の価格の高さです。
物価が高いので当然ですが、文庫で20ドル程度(1400円弱程度)となります。
写真の多いお料理本などになると、30ドル台後半から5.60ドルはします。
そして、お料理本の多さにも驚きです。
しかも、これらのお料理本、とても大きくて分厚いのです。
作りながら片手で開く、とかできませんから!といつも思ってしまいます。
正直、それほど手の込んだお料理をする人が多いように見えない国ではありますが、本屋さんの中でこのジャンルはかなりメインコーナーを占領しています。
男性のお客さんがお料理本を探している姿を多く見かけるのも、お国柄なのでしょうか。
この時代に、ご丁寧にガイドブックを買いました。
右手は、ブリスベンの星空ガイドです。ブリスベンの夜空に見える星々を、季節、時間、方角ごとに説明しています。
こちらに来てからプラネタリウムによく行くようになり、星が好きになりました。街中でも、晴れた日には、綺麗な星が眺められます。
もう一軒は「Folio Books」です。大好きな本屋さんです。
ここは、独立型の小さな本屋さんで、品揃えやお店のディスプレイがとっても面白いのです。
何も買う予定がなくても、しょっちゅう覗いてしまいます。
ここのスタッフたちは、皆、いかにも個性的、本好きな雰囲気で私は大好きです。
英語もろくに話せないけど、ここに来たら、本のおすすめを聞きたくなります。
彫刻家のおばのお土産に、アートの本が欲しい、おすすめはありますか?と尋ねたら、アート専門のスタッフが時間をかけて紹介してくれました。
今日現在は、一時的にお店を閉めていますが、欲しい本があったのでメールで質問したらすぐに回答をくれました。
ちなみに先ほど本屋さんの前を通りかかったら、お客さんが間隔を空けて店頭に並んでいる姿が見えました。
あれ?もうオープンしている?
いえいえ。まだお店は閉まっているのですが、みんなオーダーした本をピックアップに来ていたのです。
店の外から、中にいるスタッフに本を探してもらっている様子も見えました。
ガラス越しに、「これ?これ?」と本の表紙を見せるスタッフと、「そう、それ!」と答えているお客さんのアナログなやり取りにほっこりしました。
本好きのやることです。
本屋さんに来るのが好きというか。来ずにはおれない。
私も、この本屋さんの再開が待ち遠しいです。
Peter Wohlleben 「The Secret Network of Nature」
日本でもこの著者の本はよく見かけますよね。のんびりと読み進めていますが、完読していません。英語の勉強用に活用。
ネット時代の今、本屋さんも経営が難しくなってきていると思います。
でも、ただ決まった本を買うだけなら、amazonでいいんです。
自分の検索では引っかかってこないような本との出会いが、本屋さんにはあります。
世界中どこへ行っても「本屋さんは特別な空間」だと、私は感じています。
その本との出会いによって、人生がより深くて濃くて豊かになるような。
このブリスベンでも、そんな本との出会いがあるといいな。
そうそう、本屋さんでびっくりしたことがもう一つありました。
お店に入ると、「こんにちは。何かお探しですか?」と声をかけられます。
盗難防止の意味もあるかもしれませんが、お洋服やさんならいざ知らず、本屋さんでそう言われるとなんだか嬉しいびっくりですよね。
5月9日 久しぶりに空気が緩んだ土曜日